IDaaSとは?おすすめツール11選や主な機能、メリット・デメリットを解説
IDaaSとは、クラウド上のサービスに関する認証情報を一元管理するソリューションのことで、一度の認証により連携する多くのサービスやアプリケーションへログインできます。本記事では、IDaaSの概要やメリット・デメリット、おすすめのIDaaS11選について解説します。
目次
IDaaSとは、クラウド上のさまざまなサービスに関するID・パスワードの一元管理を行うソリューションのことです。シングルサインオン機能が実装されており、ユーザーは一回の認証で連携している多くのサービスやアプリケーションにログインできます。
本記事では、IDaaSの概要や利用するメリット・デメリット、おすすめのIDaaS11選について詳しく解説します。IDaaSについて知りたい方、利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
IDaaSとは

IDaaS(Identity as a Service)とは、WebサービスやアプリケーションなどさまざまなシステムへのID・パスワードを一元管理するクラウドサービスのことです。日本語ではクラウド型ID管理サービスと訳され、アイダースやアイディーアースと呼ばれています。近年注目が高まっているソリューションの一つで、導入している企業も多くあります。
IDaaSが注目されている背景
IDaaSが注目されている背景には、クラウドサービスの普及があります。従来はオンプレミス環境の活用が一般的でしたが、近年はクラウドサーバー・サービスを活用して、データの保存やシステムの利用を行う企業が増加しています。テクノロジーの進歩とともに、新型コロナウイルス感染症により登場したテレワークなどの新たな働き方がクラウドサービスの普及を加速させているでしょう。
クラウドサービスの場合、サービスごとにアカウントが作成されるため認証情報の入力や管理が必要で、手間がかかります。また、オンプレミス環境で活用していたセキュリティ対策では対応できない課題が発生しました。IDaaSであれば、認証情報の入力や管理負担を軽減するとともに、セキュリティ強化が可能です。
IDaaSの主な機能

続いて、IDaaSの主な機能を紹介します。
シングルサインオン(SSO)
シングルサインオン(Single Sign-On)とは、一回の認証で多数のシステムやクラウドサービスなどにアクセスできる仕組みのことです。通常、別のシステムを利用する場合、システムごとに認証が必要です。ただ、シングルサインオン機能を活用すれば、連携するシステムに対して個別にID・パスワードを入力する必要はありません。
なお、シングルサインオンの詳細は以下をご覧ください。
⇒シングルサインオン(SSO)とは?認証方式の種類やメリット・デメリット、導入の流れを解説
認証情報の一元管理
IDaaSで管理しているサービスの認証情報を一元管理する機能です。一元管理により、IDの追加や削除・無効化を簡単に行えるようになります。
アクセス状況の可視化
誰が、いつ、どのサービスにアクセスしたかの状況を可視化する機能です。アクセスログの分析が可能で、トラブル発生時の調査や利用頻度が少ないサービスの特定に役立ちます。
セキュリティの向上
不正アクセスやサイバー攻撃を防止するための機能です。具体的には、知識認証や所有物認証、生体認証など性質の違う複数の要素を利用して本人認証を行う多要素認証(MFA)機能が実装されています。
多要素認証の詳細は以下をご覧ください。
⇒MFA(多要素認証)とは?仕組みやメリット・デメリット、導入方法を解説
IDフェデレーション
IDフェデレーションとは、外部の認証サーバーを用いてログインするテクノロジーのことです。クラウドサービスだけでなく、オンプレミス型のシステムとのID連携を実現できます。
権限管理
ユーザーのアクセス権限を管理する機能です。対象のユーザーや利用デバイス、アクセスする場所・ネットワークなどの項目で、権限を設定できます。
IDaaSを利用するメリット

続いて、IDaaSを利用するメリットについて解説します。
ユーザーの利便性向上
IDaaSを利用すれば、ユーザーの利便性が向上します。シングルサインオン機能により、ユーザーは利用するクラウドサービスごとにID・パスワードを入力する必要がありません。また、オンプレミス型のシステムに対しても一回の認証でログインできるようになります。認証情報の入力による手間や煩わしさから解放され、業務効率化につながります。
システム管理者の負担軽減
システム管理者の負担軽減も、IDaaS利用のメリットです。入退社や人事異動などが起これば、それに応じてアカウント・権限の付与や削除する必要がある一方で、システムごとの実施には多くの手間がかかります。IDaaSの一元管理機能を活用すれば、簡単に調整できるでしょう。
また、ユーザーがIDやパスワードを忘れた場合、システム管理者がリセットなどの対応を行う必要があります。IDaaSの利用で、ユーザーからの問い合わせも減るでしょう。
セキュリティの強化
IDaaSの利用はセキュリティ強化にも有効です。パスワードのセキュリティ強化を図る場合、8文字以上で以下を組み合わせた複雑なものを設定する必要があります。
- 大文字
- 小文字
- 数字
- 記号
また、使い回しを避け定期的な変更が必要ですが、パスワードを使いまわしているユーザーが少なくありません。シングルサインオン機能でパスワード管理の負担が軽減するため、セキュリティ強度の高いパスワードを設定しやすくなるでしょう。また、多要素認証機能の活用で、認証情報が漏洩したとしても簡単には不正アクセスされません。
ゼロトラストの実現
ゼロトラストの実現もIDaaS利用のメリットです。ゼロトラストとは、信頼しないことを前提にセキュリティ対策を行うことです。従来は、社内からのアクセスは安全性が高く、社外からのアクセスに対してセキュリティ対策が必要と考えられていました。
ただ、近年のサイバー攻撃は高度化・多様化しており、社内からのアクセスであっても信頼できるとは限りません。IDaaSでは、アクセス状況の可視化や管理ができゼロトラスト実現に役立ちます。
なお、ゼロトラストの詳細は以下をご覧ください。
⇒ゼロトラストとは?実現するポイントやゼロトラストが広まった背景も解説!
IDaaSを利用するデメリット

次に、IDaaSを利用するデメリットについて紹介します。
コストの発生
IDaaSの利用にはコストがかかります。多くの場合、利用期間や利用人数に応じた従量課金制が採用されています。オンプレミス型の場合は初期費用が高い一方で、ランニングコストがかかりません。一方、クラウド型は初期費用が安価ですが月々のランニングコストが発生します。自社に合うプランを慎重に検討しましょう。
トラブル発生のリスク
トラブル発生のリスクも、IDaaSを利用するデメリットです。トラブル発生によりシングルサインオンができなくなれば、管理しているサービスへログインできなくなる可能性があります。場合によっては、業務停止など支障が出る恐れがあるでしょう。IDaaS導入時には、緊急時の対応を検討しておくことが重要です。
パスワード漏洩時のセキュリティリスク
IDaaSの利用には、パスワード漏洩時のセキュリティリスクが存在します。IDaaSのパスワードが漏洩した場合、一元管理している全てのサービスにログインされてしまい、多くの被害が発生するでしょう。IDaaSを用いる場合には、IPアドレスの制限や多要素認証の活用などによるセキュリティの強化が重要です。
未対応のサービス
IDaaSは全てのサービスに対応しているわけではありません。未対応のサービスも存在します。既存システムや導入予定のサービスに対応しているかを確認せずに導入すると、期待した成果を得られない可能性があるでしょう。
おすすめのIDaaS11選

続いて、おすすめのIDaaS11選を紹介します。
ID Entrance

「ID Entrance」は、ID統合管理サービスです。各種クラウドサービスのIDやパスワードなどの情報を統合管理し、シングルサインオン(SSO)機能によって、複数のアプリケーションやサービスを1つのID・パスワードで利用できます。
当社(株式会社SMSデータテック)は、キヤノンITソリューションズ株式会社の正規販売代理店として取り扱いを行っております。
詳しくはID Entaranceの製品ページをご参照ください。
GMOトラスト・ログイン

GMOトラスト・ログインは、1万社を超える導入実績を誇るIDaaSです。連携アプリ数は8,000以上となっており、多くのツールと連携できます。基本プランは無料で即日導入可能なため、まずは基本プランで使い勝手を試すのもおすすめです。
Okta

出典:Okta公式Webサイト
Oktaは、IDaaSの主要な機能を全て備えたID管理プラットフォームです。アメリカのICT調査や助言を行うガートナー社の「マジック・クアドラント」において、6年連続でリーダーの一社として評価された実績のあるOkta社が開発・提供しています。自動でのアクセス権付与や解除機能が特徴です。
Gluegent Gate

Gluegent Gateは、シンプルでわかりやすいインタフェースとなっており、誰でも使いやすいIDaaSです。専門的な知識やスキルがなくても、簡単に設定を行えるでしょう。また、サポート体制も充実しているため、安心して利用可能です。
OpenCanvas IDaaS

OpenCanvas IDaaSは、金融機関向けに認証制御機能を提供してきたセキュリティツールを基に開発されたIDaaSで、セキュリティ強度や信頼性が高い特徴があります。IDaaSの主な機能を網羅しており、多くの効果を期待できます。
CloudGate UNO

CloudGate UNOは、ITreviewのシングルサインオン中堅企業部門で満足度No.1を獲得した実績のあるIDaaSです。15年以上サービス提供をしている実績があり、約70万人に利用されています。ユーザーコミュニティが存在しており、IDaaS以外にもITやクラウドに関するお悩み相談が可能です。
JumpCloud

JumpCloudは、世界160ヵ国20万社以上に導入された実績を持つID・デバイス管理プラットフォームです。認証情報やデバイス、リモートデスクトップなどを一元管理できます。多要素認証機能では、自社に合う認証方法を選択できるため、利用しやすいでしょう。
HENNGE One

HENNGE Oneは、230以上のサービスに対応し約3,000社の企業に導入された実績を持つIDaasです。アクセス制御や標的型攻撃対策・送信ミス対策などのメールセキュリティ機能が実装されており、利便性向上だけでなくセキュリティ強化に役立ちます。
Digital Workforce

Digital Workforceは、以下5つの機能を組み合わせることで、安全なリモートワーク体制を実現するIDaaSです。
- ポータル
- シングルサインオン
- ID管理
- API管理
- セキュアブラウザ
IDの配信・停止を自動化でき、管理漏れによるセキュリティリスクを抑制可能です。
AWS IAM Identity Center

出典:AWS IAM Identity Center公式Webサイト
AWS IAM Identity Centerは、AWSおよびビジネスアプリケーションへのアクセスを一元管理可能なIDaaSです。元々AWS Single Sign-Onと呼ばれていましたが、2022年7月に名称変更されました。AWSユーザーであれば無料で利用できます。
Microsoft Entra ID

Microsoft Entra IDは、クラウド型のID・アカウント管理サービスです。Microsoft 365やMicrosoft Azureと関連するサービスの安全かつ効率的な運用をサポートしています。機能制限はあるものの、Microsoft 365やMicrosoft Azure などのクラウドサブスクリプションを契約していれば、無料で利用できます。
利用するIDaaSを比較するポイント

最後に、利用するIDaaSを比較するポイントについて解説します。
既存システムとの連携
既存システムとの連携可否を確認しましょう。IDaaSを利用するデメリットの章で解説した通り、IDaaSは全てのサービスやシステムに対応しているわけではありません。とくに、海外のベンダーが開発・提供しているIDaaSは、国内ツールに対応できないケースが多く見受けられます。また、導入予定のサービスがあれば、併せて対応しているかを確認すると良いでしょう。
ユーザー認証の方法
ユーザー認証方法の確認もおすすめです。シングルサインオン機能で活用される認証方法は複数存在し、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。ユーザーの負担にならず、高度なセキュリティを実現できる認証が採用されたツールの選択が重要です。
セキュリティ
どのようなセキュリティ対策が施されているかの確認も欠かせません。IDaaSでは、管理するID・パスワードを外部サーバーに預けることになります。サーバーに不正アクセスされれば、自社のシステムにも被害が及びます。セキュリティ対策や認証の取得状況、実績などを確認すると良いでしょう。
コストパフォーマンス
多くの場合、ユーザー数に応じた料金体系が採用されていますが、IDaaSの料金体系や具体的な初期費用・ランニングコストはソリューションごとに異なります。中には、利用する機能によって追加のオプション料がかかるケースもあります。自社に取って、どのような料金体系であればコストパフォーマンスが高いかを検討して、実際のコスト比較を行いましょう。
サポートの充実度
サポートの充実度も確認すると良いでしょう。導入時や運用時には、不明点などが発生する可能性があります。自社に合うサポートを受けられれば、安心して利用できるでしょう。サポート方法や料金、対応可能な曜日・時間帯の確認がおすすめです。
まとめ

IDaaSとは、WebサービスやアプリケーションなどさまざまなシステムへのID・パスワードを一元管理するソリューションのことです。クラウドサービスの普及とともに、注目が高まっています。IDaaSを利用すれば、ユーザーの利便性向上やシステム管理者の負担軽減、ゼロトラストの実現など、多くのメリットを得られます。
一方で、IDaaSのパスワードが漏洩すれば、サイバー攻撃者が連携する全てのサービスへログイン可能となり、多くの被害を受けるでしょう。多要素認証などのセキュリティ機能も実装されていますが、近年のサイバー攻撃は高度化・多様化しており、100%防げるとは限りません。セキュリティ強化を図るとともに、情報漏洩した際に素早く察知して、適切な対応を取るための体制構築も求められます。
情報漏洩監視ツール「ダークウェブアイ」は、会社のドメイン情報を入れるだけで「いつ」「どこから」「どんな情報が」漏れてしまったのか、一瞬で分かります。
自社のアカウント情報が漏洩していないか不安な方は、まず自社の漏洩状況を確認してみてはいかがでしょうか?
⇒メールアドレスを入れるだけ!自社の漏洩状況をチェック!

