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システム運用自動化の目的とゴールとは?おすすめツールと合わせて紹介
昨今のシステム運用自動化は、運用管理を最適化する手段の一つとして、広く認識されています。認識される背景として、ITシステムの複雑化や人材不足、突発的な運用作業の増加、減ることのない障害対応等が挙げられます。中には、人材育成が回らず運用業務が一部の担当者に依存している場合もあります。今ではひたすら手を動かすのではなく、いかに少ない労力で運用できるかが求められています。
今回は、システム運用の自動化を検討している企業に向け、自動化の目的とゴールの重要性を解説し、おすすめな自動化ツールを2選紹介します。特に「自動化して工数削減したい」「人材育成に時間を割り当てたい」「運用業務のミスを減らし安定化を図りたい」と考えている方は、目的とゴールを明確にし、適切な自動化を目指しましょう。
目次
システム運用 自動化の目的とゴールの重要性
本題に入る前に、自動化の目的とゴールはそれぞれ下記の意味を持ちます。
目的
目的は自動化が達成された場合に得ること
ゴール
ゴールは何をどこまで自動化するかの軸
システムの運用業務を自動化する上で、目的とゴールの設定は欠かせません。システム運用を自動化したいと考えるきっかけは「工数やオペレーションミスの削減」「他の業務に時間を充てたい」等の現状を打開するような考えが大半です。
当然、工数の削減やオペレーションミスの削減はクライアントやユーザーからの信頼を損なわないためにも必須です。他の業務に時間を充てることで、新しいプロジェクトが生まれるかもしれません。しかし、きっかけはあくまできっかけに過ぎず、自動化の直接的な目的やゴールではないことに注意すべきです。
自動化の目的とゴールを設定しなければ、業務そのものがブラックボックス化し、運用業務の形骸化に繋がります。自動化した後どうなるのか、ということを念頭に目的とゴールを設定しなければ意味がありません。自動化には少なからず時間がかかります。目的やゴールが不透明では、自動化の途中で軸がブレてしまい、何もかも自動化することになり、かえって効率が悪くなります。
自動化する際の目的とゴールの定め方
システム運用を自動化する際の目的とゴールの定め方を紹介します。結論として、目的とゴールの定め方は「きっかけの深堀り」に集約されます。
例えば、自動化に踏み切ったきっかけとして「工数やオペレーションミスを削減したい」という思いがあります。一見、目的のように見えますが、工数やオペレーションミスを削減する理由が何かわかりません。
クライアントから工数やミスの多さを指摘されたのか、オペレーションミスの結果として残業時間が増大したため、働き方を見直す必要があるのか、状況によって目的とゴールは変わるものです。もしも、クライアントから工数やミスの多さを指摘された場合は、例として次のような目的とゴールになるでしょう。
目的(自動化の達成で何を得たいか)の例
人手で行っていた作業を自動化することで、工数やオペレーションミスの削減に繋がる安定した運用を実現する自動化することでクライアントの信頼を獲得し、長期的に良好な関係を築く自動化によって工数を減らし、クライアントへ新規プロジェクトの提案する余裕を持たせる
ゴール(何をどこまで自動化するのか)の例
リソースの追加やチェック作業(手動で作業が必要な部分)のみを自動化する。
目的とゴールは「きっかけの深堀り」であることがわかります。きっかけを深堀りすることで、目的とゴールは自動化を進める上でのブレない軸を形成する指針となるのです。
システム運用 自動化するためにやるべきこと
システム運用を自動化するためにやるべきことを紹介します。準備を怠ると自動化の途中で必ずつまずくため、一つひとつ注意して取り組みましょう。
運用プロセスの棚卸し
最初にやることは、運用プロセスの棚卸しです。つまり、現状のオペレーションを全て事細かに切り分ける作業が必要です。運用を自動化するためには、自動化前の手順と内容を全て正確に指定しなければなりません。汎用的な手順だけでなく、例外が発生した際の対応方法や、扱うデータの種別に応じた分岐処理を行う配慮も必要でしょう。
運用の手順は、日々の業務の中でブラッシュアップしていくことが重要です。改善点を残した状態で自動化しても最大の効果は得られません。作業になれると、スピードばかりを求めてしまいますが、一度立ち止まることも重要です。
作業の可視化
システム運用の自動化は担当者が「何のためにやっているのか」「どうすればこのデータが出来上がるのか」等を意識せずとも業務が行えるようになります。無意識で業務が行えることは、業務自体の目的が形骸化し、どのようなデータを扱っているかさえも分からない状況に繋がります。意識的に業務を行うためにも、作業の可視化が重要です。
例えば、手順書の作成は作業を可視化する上で大変有益です。作成する手間はあるものの、業務の目的や背景を振り返りやすくなり、運用プロセスを見直す時にも役立つためリターンが大きいです。手順書に限らず、可視化できる手段を残しておくことが後々役立ちます。
よくある運用業務を自動化する
一度に全ての作業を自動化するのではなく、よくある運用業務を最初に自動化しましょう。頻発する業務ほど、手順が明確化していることが多く、自動化に繋げやすいです。月に一度、半年に一度程度の業務は後回しにすることで効率的に自動化できます。
⇒Excel(エクセル)業務をRPAで自動化!業務効率を向上させよう
おすすめの自動化ツール
自動化ツールにも様々な種類があり、目的に応じて使用するツールが異なります。今回は、よく使われるツールの中でも特におすすめなツールを2選紹介します。
Selenium ブラウザ用テスト自動化ツール
Seleniumはブラウザで動作するアプリのテストに使用されるツールです。手動でブラウザを操作する代わりにSeleniumがブラウザを操作するため、誤操作がなく、円滑なテストが実施できます。文字入力やボタン操作も簡単に実行することができ、GoogleChromeやFirefoxの主要なブラウザに対応しています。
Zabbix サーバー・ネットワーク・アプリケーション統合監視ツール
Zabbixはオープンソースの統合監視ツールです。
ZabbixひとつでCPU・メモリ・ログ・サービス監視等を行えるため、導入事例も数多くあります。OSやデバイスを問わずに操作でき、監視対象の追加も自動で行えます。スクリプトさえ用意すれば、動的に変化する監視対象でも監視することができます。
まとめ
今回はシステム運用を自動化する上で、目的とゴール設定の大切さ及び、おすすめの自動化ツールを2選紹介しました。自動化に踏み込むきっかけは現状の打開案である例が後を絶ちませんが、自動化する真の目的とゴールを決めることで、軸がブレずに自動化を進めることができます。自動化を検討している企業の方は、ぜひ実践してみてください。
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