AIOpsとは?メリットや各業界での活用方法を紹介

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AIOpsとは?メリットや各業界での活用方法を紹介

AIOpsは、IT化やDX化が国内でも推奨されている現代社会では無視できないツールの一つです。AIOpsよって人材不足の解消や業務の効率化を図る流れはこれからも大きくなると予測されます。とはいえまだAIOpsの知名度は低く、
「AIOpsを導入して何が変わるのか分からない」
「AIOpsはどのようなことができるのか分からない」

という方が多いのも実情です。
そこで今回は、AIOpsの基本知識からメリット、代表的なツールまで詳しく紹介します。

DXやデジタル化を進めたいと考えている方やAIOpsで業務効率を実現したい方は最後まで読んでいただき、ぜひ参考にしてみてください。

AIOpsとは

AIOpsとは2018年にガートナー社によって提唱された、企業が保持する大量のデータをAIに機械学習させて業務自動化や業務管理の効率化を図るIT運用の手法です。AIOpsを活用することにより、複雑なシステム管理の自動化や、データを活用した効果的な意思決定ができるようになります。
AIOpsは一般企業だけでなく製造業や医療現場など幅広い業種でIT運用管理の対応が可能です。複雑化するデータやシステム管理を効率的に行うのがAIOpsの大きな特徴といえます。

AIOpsプラットフォームとは

AIOpsと似た言葉に「AIOpsプラットフォーム」とありますが大きな違いはなく、AIOpsの機能を備えたツールのことです。IT運用やセキュリティ管理など各企業の経営課題を解決できるよう多様化されたAIOpsツールが開発されています。

MLOpsとの違い

MLOpsとAIOpsは似ている言葉ですが意味は全く違います。
MLOpsは機械学習(Machine Learnig)開発と運用(Operations)チームが、機械学習の実装から運用までの工程を円滑に進めるための体制を指します。
AIOpsで機械学習による複雑なシステム管理や問題対処を簡易的にできるため、MLOpsでの開発も工数の削減や業務の効率化につながるでしょう。

AIOpsを導入する3つのメリット

AIOpsを導入することでのメリットは、主に以下の3つがあげられます。

  • 自動化による生産性の向上
  • ビックデータの運用業務の負担が軽減
  • エラー復帰が早くなることでの顧客満足度の向上

以下でそれぞれ解説していきます。
 

自動化による生産性の向上

AIOpsは高度なAIによる機械学習で単純業務から複雑なデータ分析までを自動化できるため、生産性の向上につなげられます。特に複雑化したビッグデータの分析は、人的リソースが割かれる代表的な作業だったため、AIOpsの導入によるデータ分析の効率化はそれだけでも大きなメリットになるでしょう。
またサービス構築やテストなどの業務は正確性が必要なため、人的ミスも起こり得る作業と言えます。しかし、AIによる自動化は正確性も担保されるため人的ミスの削減も実現できます。

ビックデータの運用業務の負担が軽減

日常的に増えていく収集データを解析するのは、人的リソースを大きく割く原因にもなります。しかし、AIOpsによる運用により、迅速かつ効果的なデータ解析が可能になり、リアルタイムでの問題提示などができます。
特にビッグデータを抱えるIT の大企業であれば、複雑化したブラックボックスと化したビッグデータもデータ分析でき、効率的なIT運用が可能になるでしょう。

エラー復帰が早くなることでの顧客満足度の向上

ビッグデータ分析によるリアルタイム表示が可能になると、エラーが発生した際にも迅速に対応でき、複数エラーでも優先度をつけて効率的に対処が可能です。
またAIOpsがアラートを出す際には、エラーの原因と修繕方法を提示するため、問題検知から修繕までをスムーズに行えます。

AIOpsの各業界での活用シーン

AIOpsは、下記のような様々な活用例があります。

  • データの自動収集とAI機械学習による業務の自動化
  • 高度なAIによるパフォーマンス分析
  • 異常値の検知
  • 警告の分析と修復方法の提示
  • ITサービスマネジメント

このように様々な活用ができるAIOpsですが、それぞれの業界でどのように活用できるのかをご紹介いたします。

医療業界でのAIOps活用シーン

医療業界では、診察支援や診断の精度向上などに活用されます。
診察支援では、患者の診療履歴や病歴、薬物治療のデータを分析し、類似の患者の治療法を提案することができます。また、ゲノム解析を通じて患者ごとに疾患リスクを予測し、予防や最適な治療方法を模索することができます。
さらに、AIの画像診断により、X線やMRIなどの医用画像を解析して異常を検出し、誤診を減らすこともできます。

小売業界でのAIOps活用シーン

小売業界では、人手不足の解消や業務の効率化として活用されます。
企業が持つ情報である店舗の販売実績や価格、商品陳列の情報、曜日特性や客層と外部が持つ情報である気温や降水確率などの天気情報をAIに学習させて分析・予測することで、発注の効率化を行うことができます。
また、防犯としての役割も果たすことができます。買い物客の不審な動きを検知し、店舗スタッフに通知をすることにより声をかけを促し、万引きを未然に防ぐことや万引きによる商品ロスを減少させます。

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製造業界でのAIOps活用シーン

製造業界では、検品や品質検査、生産計画立案に活用されます。
需要と供給、消費者行動、地理的特性、社会情勢を調査し分析することにより生産計画を立てることができます。また、画像解析を通じて不具合を検知することにより、目視検査によるばらつきを標準化することができます。
さらに、設備を監視することにより機械の故障を事前に予測することも可能です。これにより、適切なタイミングで点検を行うことや生産ラインの停止時間を削減すること、健全性を担保することができます。

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金融業界でのAIOps活用シーン

金融業界では、不正取引の検出や金融取引の自動化を行うことに活用されます。
取引データや市場の動向をリアルタイムに分析することにより、異常なパターンや不審な取引を検知、またはベストなタイミングでの取引を行うことができます。

物流業界でのAIOps活用シーン

物流業界では、配達の効率化やコストの削減をすることに活用されます。
荷物のタグ付けにより、造船やトラックでの荷物の配置や捜索を効率的に行うことができます。また、貨物量も予測することができることにより、勤務シフトの計画も立てやすくなります。
さらに、最適な配送ルートを提案することができます。荷物の到着時刻を予想し、お届け先に事前連絡することで再配達を減らすことができ、運送時の燃料費の削減もできます。

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失敗しないAIOpsの導入方法と3つの手順を解説

AIOpsはただ導入するだけでは高い効果は期待できません。以下の手順に沿って導入することで効果的なIT運用ができるようになるでしょう。

  • 手順1:システム運用での課題に優先順位を付ける
  • 手順2:導入する分野を絞る
  • 手順3:扱うデータ範囲を広げる

各手順をそれぞれ解説していきます。

手順1:システム運用での課題に優先順位を付ける

まずはITシステム運用での課題点を洗い出し、AIOpsに適応させるべき課題を調査します。
AIOpsは導入直後からIT運用における全ての業務を自動化したり効率化させるわけではありません。問題発生の原因とトリガーをAIOpsに学習させ、実際にどの程度の精度で感知するかなどもテストしましょう。

手順2:導入する分野を絞る

AIOpsではさまざまなデータ情報を取り込めます。しかし、全てのデータを取り込もうとすると、読み込みに時間がかかるだけでなく、誤った機会学習をさせてしまうなどかえって非効率な結果になることもあり得ます。
そのため、AIOpsをどの分野に絞って導入するのがもっとも効果的かを検討することからはじめてみましょう。

手順3:扱うデータ範囲を広げる

分野を絞り、導入効果が得られたのであれば、AIOpsを扱うデータ範囲を広げていきましょう。
AIOpsは異なるデータソースから相関するデータや類似するデータを見つけ出し関連づけるのが特徴です。そのため、同じデータ範囲内ばかりで活用するのは効果的でないため、異なるデータ範囲での活用をおすすめします。

AIOpsの代表的なツール4選

AIOpsは世界でもさまざまなツールが開発されています。そのなかで代表的なAIOpsツールを4つほど紹介していきます。

Splunk(スプランク)

Splunkは2003年に創業されたアメリカ企業「Splunk社」が開発したAIOpsツールです。医療現場や金融サービス、公共機関など多種多様な業界業種で使われています。
特にログ解析が得意で異なるデータ群からシステムログの解析を行い、IT運用管理を自動化させたりシステム運用状況を可視化させたりできます。
アメリカのビジネス雑誌「フォーチュン」が発表する急成長企業100社にも選ばれているため、信頼性も高く代表的なAIOpsツールと言えるでしょう。

OpsRamp(オプスランプ)

OpsRampはアメリカの「OpsRamp社」が開発したSaaS型のAIOpsです。1000社以上の導入実績があり、Splunkと並ぶ代表的なAIOpsの一つです。
IT運用サービスに必要な機能が揃っているため、企業は必要とする機能だけを選び使用できます。インフラ環境の運用から監視やエラー検知、対処の自動化などが可能です。
インターネット上のクラウドサービスとして提供されているので導入しやすく、小規模企業から大企業まで幅広いユーザーに活用されているAIOpsです。

Watson OpenScale(ワトソンオープンスケール)

Watson OpenScaleは世界170ヵ国以上に展開する「IBM社」が提供するAIOpsツールです。Watson OpenScaleの特徴として、AIの運用状況を誰もが正しく判断できるのが特徴です。
AIが正確に運用できているかは専門的知識が必要ですが、Watson OpenScaleはAIが判定の基準としたデータを各工程ごとに遡ることができます。
他のAIツールが正しく判定するためのAIOpsツールなので、導入することでより正確で効率的なIT運用が可能になるでしょう。

SysTrack AIOps(サイズトラックエーアイオプス)

SysTrack AIOpsはアメリカのグローバル企業「Lakeside Software社」が提供するAIOpsツールです。
SysTrack AIOpsはデータパフォーマンスの情報やシステムログなどのさまざまなデータを収集できます。
また、シンプルな階層型アーキテクチャにより最小限のサーバーでもIT運用ができ、拡張性にも優れたAIOpsです。

まとめ

AIOpsはIT運用をより効率的かつ効果的にしてくれるデータマネジメントでは重要なツールです。
日々のデータ増加による複雑化していくデータ分析業務を自動化させることで、人的リソースを増やすだけでなく人的ミスも削減できるため、相対的に生産性の向上が見込めるでしょう。
ビッグデータの分析や活用法は中小企業や大企業問わず、DXの根幹となる課題の一つです。AIOpsの導入によるDX推進を図り、より成長できるビジネススタイルへと進化していきましょう。もし、IT運用管理に悩みや困りごとがあればお気軽にSMSデータテックにご相談ください。膨大な数のデータやアラートの処理、トラブルシューティングの長期化などを、複数のデータソースを一括管理することで効率的かつ迅速に問題解決へと導きます。お問い合わせお待ちしています。

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