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最近注目されている「Grok」をご存じでしょうか?
Grokとは、X(旧Twitter)をプラットフォームとした対話型AIのことです。他のチャットボットAIとは異なり、リアルタイムな情報を基にした回答生成ができ、さまざまな質問への回答や画像の生成にも対応しています。
本記事では、Grokの概要や主な特徴、利用方法と利用時の注意点について詳しく解説します。Grokについて知りたい方、ビジネスで活用できるAIを探している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
出典:Grok公式Webサイト
Grok(グロック)とは、xAI社により開発・提供されている対話型AIのことです。ChatGPTをはじめとする対話型AIよりも優れ、ほぼ全ての質問に回答する目的で開発されました。とくに、X(旧Twitter)に対して優位性を持っており、ポスト(旧ツイート)の自動要約や分析、関連情報の入手に役立ちます。
また、ユーザーがすべき質問を提案する機能も実装され、適切な質問の実現と最適な回答の入手が可能です。日本時間の2025年2月19日には、最新モデルであるGrok 3がリリースされました。
ここからは、Grokを開発したxAI社の概要と料金プランについて解説します。
xAI社は「宇宙の真実を理解すること」を目的に、テスラ・スペースX社のCEOを務めるイーロン・マスク氏が立ち上げた企業です。人間と同様かそれ以上の知的能力を有する人工知能であるAGI(汎用AI)開発を目指しています。
xAI社のAI開発チームメンバーには、以下の企業に在籍していたメンバーがおり、GPT3.5やGPT4の開発プロジェクトに携わった経験を持つ人も存在します。
なお、AGIの詳細は以下をご覧ください。
⇒AGI(汎用人工知能)とは?できることやAI・ASIとの違い、開発の現状と未来を解説
Grokの料金プランは以下の通りです。
プラン | 料金 | 主な機能 |
---|---|---|
X Premium+ | Webサイト:月額6,080円/年額60,036円 iOS:月額8,000円/年額80,000円 Android:月額8,190円/年額80,400円 |
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SuperGrok | 月額30ドル/年額300ドル |
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Grokのみを利用したい場合には、SuperGrokへの加入がおすすめです。Xも効果的に活用したい場合は、X Premium+を利用すると良いでしょう。
無料ユーザーでも、Grokの利用が可能ですが以下の制限が課されています。
続いて、Grokの主な特徴を紹介します。
Grokは、Xをプラットフォームとして、リアルタイムな情報を基にした回答生成が可能です。ChatGPTなど従来のLLMは事前に学習したデータを基に回答を生成するため、最新情報のアウトプットはできません。LLM(大規模言語モデル)とは、膨大な量の文章データを学習し、人間の言葉を高度に理解して新しい文章を作り出すAI技術のことです。
Grokはポストから最新の情報を読み込む仕組みが採用されており、最新のニュースやトピックに関する質問もできます。最新の市場動向やトレンドの分析・把握に役立つでしょう。
なお、LLMの詳細は以下をご覧ください。
⇒LLM(大規模言語モデル)とは?仕組みや活用事例、今後の展望を徹底解説
Grokでは、以下2種類の動作モードから利用するものを選択できます。
利用するシーンに応じて最適なモードを選べます。
多くの生成AIは安全性を重視しており、差別・暴力など反道徳的なものや人を不快にする可能性がある質問に回答しない仕組みが採用されています。一方、Grokでは一般的に適切ではないと考えられる質問に対しても、回答する設定になっています。利用方法には注意が必要ですが、より多くの情報を得られるでしょう。
Grokには、画像生成モデルのFlux.1とAuroraが搭載されており、テキスト入力で画像を生成できます。Grokの画像生成における特徴は以下の通りです。
Grok以外におすすめの画像生成AIを知りたい方は、以下をご覧ください。
⇒【2025年最新】おすすめのイラスト・画像生成AIツール12選|無料・有料
画像データをテキストに変換できる点もGrokの特徴です。Grokには、アップロードした以下の情報を理解・処理する機能が実装されています。
画像や図などをテキスト変換したいケースで有効です。
Grokは、さまざまなテストにおいて高水準の結果を出しました。具体的なテスト結果は以下の通りです。
テスト名 | 正答率 | 概要 |
---|---|---|
AIME’25 | 新しい数学コンテストの問題 | 93.3% |
AIME’24 | 数学オリンピックレベルの問題 | 93.3% |
GPQA | 大学院レベルの科学問題 | 84.6% |
LiveCodeBench | コーディングに関するテスト | 79.4% |
MMMU | マルチモーダルの理解に関するテスト | 78.0% |
参照:Grok 3 Beta — 推理エージェントの時代|xAI
上記の結果は他のAIモデルと比較しても優れたものとなっています。
チャットボットAIが複数ある中、Grokの最大の特徴はXを利用したリアルタイム情報のアウトプットです。多くのチャットボットAIは、事前に学習した情報を基にアウトプットデータを作成するため、最新情報には対応できません。
また、Grokは他のAIと比較して高い性能を誇っています。以下はxAI社が発表したGrokと他AIモデルの比較データです。
Grok | Gemini2.0Pro | GPT-4 | DeepSeek-V3 | Claude 3.5 Sonnet | |
---|---|---|---|---|---|
AIME’24 | 93.3% | 9.3% | ー | 39.2% | 16.0% |
GPQA | 84.6% | 53.6% | 64.7% | 59.1% | 65.0% |
LiveCodeBench | 79.4% | 32.3% | 36.0% | 33.1% | 40.2% |
MMMU | 78.0% | 69.1% | 72.7% | ー | 70.4% |
参照:Grok 3 Beta — 推理エージェントの時代|xAI
上記によれば、全ての項目でGrokがもっとも高い数値を示しています。
GrokはXから利用します。Xのアカウントを持っていない場合には、以下の手順でアカウントを作成しましょう。
アカウントを作成後、Xにログインしましょう。続いて、パソコンの場合は画面左、スマートフォンアプリは画面下にあるメニューバーから「Grok」を選択すると下記画面に遷移します。
出典:X
中央のテキストボックスにプロンプトを入力してEnterキーを押せば、質問や指示に応じた回答をアウトプットしてくれます。
続いて、Grokの活用例を4つ紹介します。
Grokは最新のニュースや天気予報、交通情報などのリアルタイム情報を含め、情報収集で活用できます。Xをプラットフォームとしているため、関心が高まっているトピックや市場動向などの分析もできるでしょう。
Grokは、コーディングでの利用も可能です。簡単なコードであれば、数秒程度で作成してくれます。
なお、おすすめのコード生成AIについて知りたい方は、以下もご覧ください。
⇒【2025年最新】おすすめのコード生成AI12選!メリット・デメリットや活用事例と注意点を解説
文章の作成時にもGrokを活用できます。例えば、Webコンテンツやメール文章を作成する際に活用できるでしょう。また、資料の作成時にも有効です。
なお、おすすめの文章生成AIについて知りたい方は、以下もご覧ください。
⇒【2025年最新】おすすめの文章生成AI24選!活用事例やポイント、注意点を解説
翻訳にもGrokを活用できるでしょう。翻訳したい単語や文章を入力して指示を出せば、日本語か外国語に翻訳してくれます。
アイディア出しにもGrokは有効です。ビジネスのアイディアを考える際に、壁打ちとして利用できるでしょう。Fun Modeを活用すれば、ユニークなアイディアを出してくれる可能性もあります。
最後に、Grok利用時の以下の注意点4点を紹介します。
Grokを活用する際には、個人情報や機密データを入力しないようにしましょう。Grokに限らず多くの生成AIでは、ユーザーの入力した内容を学習するケースがあります。個人情報や機密データを入力すると、その内容を学習して他のユーザーに対する回答に利用され、情報漏洩の原因となる恐れがあります。
Grokの主な特徴で解説した通り、Grokは他のAIモデルで規制されているさまざまな質問への対応や著名人・キャラクター画像の生成が可能です。自由度が高い一方で、ユーザーの倫理観が問われます。不適切な目的で活用すれば、トラブルに巻き込まれる可能性があるため注意しましょう。
Grokで生成した画像を商用利用する場合には、FLUX.1 proもしくはFLUX.1 schnellへの登録が必要です。商用利用とは利益を得る目的で活用することで、具体的には画像の販売や収益が発生する動画での活用が該当します。ビジネスでの利用を想定しているのであれば、必ずFLUX.1 proかFLUX.1 schnellに登録しましょう。
Grokでは、生成する画像に対してテキストを埋め込むことが可能です。ただ、2025年3月現在日本語でのテキストを埋め込みはできず、英語のみの対応となっています。今後、日本語に対応する可能性はありますが、現時点で活用する場合には英語で行いましょう。
Grokとは「宇宙の真実を理解すること」を目的にイーロン・マスク氏が立ち上げたxAI社が開発・提供している対話型AIのことです。Xをプラットフォームにしており、リアルタイム情報を基にした回答生成やさまざまな質問への回答・画像の生成に対応しています。2025年2月19日には、高性能なGrok 3がリリースされました。Grokは情報収集やコーディング、文章生成などで活用でき、業務改善に役立ちます。
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