11月28日(木)に「ダークウェブで何が売られている?迫りくる新たな脅威への対応策」のセミナーを開催いたします。 今回のセミナーは、1...
無料で利用を始めよう!オススメ生成AI 9選と活用上の注意点
生成AIの利用については一般化が進んでおり、業務や私的に一度は使ってみた方も増えていることでしょう。単純に利用することは非常に簡単です。触れてみてその利便性を感じることは、活用への第一歩といえます。
その一方で、生成AIにも複数の種類があり、多くのサービスが提供されています。生成AIを何のために使い、どのサービスを利用するかの選択は利用者側に委ねられる難しい問題です。
本記事では、業務での生成AI活用を検討中の方に向け、種類別に無料で利用開始できる生成AIサービスを紹介します。あわせて生成AI利用における注意点についても記載していますので、業務での活用にお役立てください。
目次
生成AIとは
AI(Artificial Intelligence)とは、人間が思考するように複雑な取捨選択や判断を行うコンピュータソフトウェアです。生成AI(Generative Artificial Intelligence)は、AIを用いて情報の取捨選択や判断を行い、その結果をデジタルなデータとして出力する仕組みです。
一般的に生成AIでは、大量のデータを深層学習などの技術を用いて事前に学習します。その後、学習した内容を参考にユーザーのインプットに対してアウトプットを行います。例えば、ユーザーの質問に答える、リクエストに沿った絵を出力するという使い方です。
生成AIは、アウトプットの形式により分類できます。
- 画像生成AI
- テキスト生成AI(チャットボット、文字起こしツール)
- 音声生成AI
- 動画生成AI
- 3Dモデル生成AI
など
また、インプットはサービスにより異なり、テキスト(文章)、画像、音声データなどが一般的です。
生成AIについては、下記の記事でも詳しく記載していますのでご参照ください。
➡「大躍進中の生成AI!トレンドと業務自動化サービスへの活用について紹介」
無料画像生成AI3選
画像生成AIとは、テキストをインプットとして内容に沿った画像を生成したり、画像データをインプットとして指示に沿った編集を行う仕組みです。※後者は画像編集AIと呼ばれる場合もあります。
画像生成AIについては、下記の記事でも詳しく記載していますのでご参照ください。
➡「画像生成AIはどんな画像が作れる?代表的なサービスや活用事例も紹介」
以下では、無料で利用を始められる画像生成AIを3つ紹介します。
Stable Diffusion
Stable DiffusionはStability AI社が提供する画像生成AIサービスです。文章をインプットとして画像を生成(アウトプット)するtext-to-imageモデルです。
Stable Diffusionの強みとしては、下記が挙げられます。
- 目的に合わせてカスタマイズすることでアニメ調のイラストからリアルな人物像まで幅広い画像が生成できる
- 無料のサービスでも利用回数に制限がない
- 生成した画像は商用利用も可能(※条件有)
弱みとしては、ローカル版を利用する場合にハイスペックなGPUが必要となることがあります。
Stable Diffusionはオープンソースであり、ローカルで利用する場合には無料で使うことができます。また、Stable Diffusionを組み込んだWebサービスやアプリも多く提供されていますが、サービスによって有料/無料は異なります。これらのサービスでは利用できるモデルが異なり、商用利用などの条件も異なるため注意が必要です。
例えば、無料で利用できるWebサービスとしてはStable Diffusion Onlineがあります。無料で利用できますが、モデルや追加学習は利用できません。
Canva
CanvaはCanva社の提供するオンラインなどの画像編集サービス(ビジュアルツールキット)です。画像編集などの機能の一つとしてtext-to-imageの画像生成AIや音楽生成AIなどAIを利用した多くの機能を提供しています。
Canvaの画像生成AIの強みとしては、下記が挙げられます。
- 画像編集ツールの一部として、気軽に生成AIを利用できる
- ユーザーが多く、利用のための情報収集がしやすい
- 様々な生成AIツールを提供している
弱みとなるのは、細かい指定を行って頭の中に描いた画像を作るよりは、いくつかランダムに候補を出して画像を選ぶスタイルを取っていること。画像生成AIに再現性を求める場合には適しません。
Canvaの生成AIを利用する場合、ユーザーを作成する必要があります。無料のCanva Freeのユーザーの場合、月に「マジック生成を50回、DALL·EとGoogle CloudのImagenを3回」利用できます。また、有料のCanva Pro、Canva for Teams、Canva for NPO、Canva for Educationなどの場合は、月あたり「マジック生成を500回、DALL·EとGoogle CloudのImagenをそれぞれ25回」利用可能です。
各ユーザーの利用価格は以下の通りです(2024/1/12時点)。
- Canva Pro:12,000円/年間、1名
- Canva for Teams:30,000円/年間、最初の5名の合計
- Canva for NPO、Canva for Education:無料(利用条件有)
Adobe Firefly
Adobe FireflyはAdobe社の提供するAdobe Creative Cloudの製品です。生成AIを用いた機能として、テキストから画像生成、生成塗りつぶし、テキスト効果、生成再配色、3Dから画像生成、画像を拡張などが利用できます。
Adobe Fireflyは画像加工ソフトとして信頼されるPhotoshopやillustratorを提供するAdobeが提供する画像生成AIのため、高い品質の画像が期待できることが強みです。SaaS形式で気軽に利用できる点もメリットです。2023年9月に正式な製品版の提供が開始されたため、2024年1月時点では利用のための情報などが集めづらいデメリットがあります。
クレジットという利用回数が存在します。無料のユーザーの場合には月に25クレジット、プレミアムプランの場合は1カ月680円で毎月100クレジットが利用できます。事業に活用する場合は、Adobe Fireflyエンタープライズ版の利用をご検討ください。
無料チャットAIツール3選
テキストの質問に対し、テキストでの回答を生成して返してくれるのがテキスト生成AIです。チャットボットやチャットAIツールとも呼ばれます。人気の3サービスを紹介します。
ChatGPT
ChatGPTはOpenAI社の提供する人気のチャットAIツールです。人間と会話するように質問を投げかけるだけで利用できます。質問への回答のほかに、翻訳、要約、アイデア出し、プログラミングなどにも利用可能です。
ChatGPTの強みとしては、下記が挙げられます。
- 人気のサービスであり、活用事例が豊富
- 継続的に開発が続けられている
- 日本語にも対応したLLM(大規模言語モデル)
ChatGPTの心配な点は、2023年末に起こったOpenAI社のCEO解雇などの騒動です。
2024年1月12日時点では、ChatGPTの利用にはユーザー登録が必要で、無料プランと有料プラン(Plus他)を選ぶことが可能です。無料版はChatGPT-3.5、PlusではChatGPT-4とバージョンが異なるほか、無料版には1分間に60回まで、1日に4000回までの利用制限があります。Plusの月額利用料は20$です。
SMSデータテックではChatGPT活用セミナーを開催しています。初級編セミナーでは、ChatGPTがどういったものなのかいまひとつわからない、使ってみたいがどのように使ったらいいのか、どのように使うと効率的なのかわからない、そんな人のためにChatGPTの使い方のコツを一挙大公開しました。ぜひこちらからアーカイブ動画をご覧ください。
Copilot(旧:BingAI)
Copilot(旧:BingAI)はMicrosoft社の提供する生成AIサービスです。質問を入力して回答を検索する機能や画像生成などの機能があります。
強みはなんと言ってもMicrosoft社をバックボーンとして持つことでしょう。企業体力が大きく、これまでにBingAIとして蓄積してきたノウハウもあります。Officeを始めとしたMicrosoft製品に組み込まれた形でも提供されるため、業務での活用のしやすさも期待できます。
一方で、弱みとなるのもMicrosoft社がバックボーンであることと関係があります。以前のサービス名はBingAIであり、名称が変更されています。ポータルサイトやWindows上のツール、Microsoft製品への組み込みなど提供形式や名称の体系が複雑で情報も調べづらい点は弱みでしょう。今後も名称や機能などは急激に変化する可能性があります。
Microsoft社の提供するポータルサイトBing上のCopilotはマイクロソフトのアカウントを持つユーザーなら無料で利用が可能で、制限等はありません。また、Windows11向けのCopilot in Windowsも、該当環境を利用していれば無料で利用できます。
Microsoft Office向けのCopilot for Microsoft 365は法人向けで1ユーザーあたり月額30$です。(2024年1月12日時点)
Microsoft Copilot for Microsoft 365については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
➡「Microsoft Copilot for Microsoft 365(コパイロット)がついに登場!特徴やメリットは!?」
➡「Microsoft Copilot for Microsoft 365(コパイロット)を使おう!概要や使い方を説明」
Bard
BardはGoogle社の提供する対話型AIツールです。2024年1月12日時点では、試験運用中のため有料プランなどは存在しません。Googleアカウントを持っていれば誰でも利用できます。
強みはGoogle社が開発していることです。今後も発展が期待できます。一方で、2024年1月12日時点では試験運用中のため全容は見えていません。
無料文字起こしAIツール3選
議論や会議などを記録し、文字に起こすツールにもAIを活用して精度を高めたサービスがあります。動画サイトへアップロードする際の字幕作成なども用途となります。業務で活用するシーンも想像しやすく、活躍が期待できるツール3選を紹介します。
Free Subtitles AI
Free Subtitles AIはSaint Technology Inc.により提供される文字起こしAIサービスです。音声データ、動画データからテキストの文字起こしを作成します。多数の言語に対応しており、2024年1月13日時点では111の言語を選択可能です。日本語も対象言語となっています。
強みはファイルサイズに制限はあるものの、無料での利用でも月々のデータ量に制限がないことです。また、有料プランに加入してもサービスを利用しなかった月は1ドルの支払いしか発生しません。
弱みはサーバーにファイルをアップロードし、キュー形式でデータ生成を順序管理しているため、サービスが込み合っている場合には最大1時間の遅延(無料プランのファイルサイズの場合)が発生することです。
無料ではインプットデータの最大サイズは300MB、有料では最大10GBのデータまで対応しています。有料プランはAIの利用時間1時間に対し0.99$(月額最小1$)です。
Notta
Nottaは株式会社Nottaの提供する音声文字起こしAIサービスです。高精度の音声認識とAIによる要約機能などが特徴となります。
サービスの強みは、対面での会議や音声データ、Web会議や動画データなど様々なインプットに対して文字起こしができることです。要約機能により効率的な情報共有にも役立ちます。104言語と対応言語数も充実しています。
弱みは無料サービスでは出力テキストからは話者の認識情報が読み取れないことですが、有料プランの場合は対応可能です。
無料のフリープランでは月に120分までの文字起こしが可能です。プレミアムプランは月に1ユーザーあたり1200円でAI要約などの機能が追加され1800分の文字起こしが可能。さらに上位のビジネスやエンタープライズプランも提供しています。
toruno
torunoはRICOHによるWeb会議や対面での会議の音声文字起こしに特化したサービスです。学習を続けるAIによる音声認識エンジンで精度を高め続けており、会議体に特化してログや議事録の管理機能なども提供しています。
強みとしては、最短1クリックでアプリを起動して会議を記録できるシンプルな操作や記録した会議のデータをWeb上で共有できることが挙げられます。
弱みは、対応する音声データの種類が少ないことや出力テキストにタイムスタンプが入ることなどが挙げられます。
プランはパーソナルとビジネスに分かれており、パーソナルは無料プランと有料プラン(月額税込1650円)、ビジネスはトライアルと月20、100、500時間のプラン(月額基本料金税抜き6,000円、28,500円、135,000円)に分かれます。パーソナルの無料プランでは累計3時間まで、有料プランでは月10時間までの記録が可能で、ビジネスのトライアルは最大累計30時間、その他有料プランは各々一定時間までの記録が可能で以降は従量制となります。
生成AI利用の注意点
利便性が高く、業務での活用も期待される生成AIですが、注意すべき点もあります。生成AIを利用する前に確認しておきましょう。
著作権、商標権などの権利侵害になる
生成AIを使ってデータを生成することは違法ではありません。しかし、その生成物(著作物)の内容が入力データや既存のデータと同じであったり類似する場合、生成したデータの利用は知的財産権の侵害となる場合があります。知的財産権には「著作権」「商標権」「意匠権」「パブリシティー権」が該当します。
生成データを利用する場合には、他者の知的財産権を侵害していないことを確認しておくことが必要です。
生成AIの著作権問題については下記の記事もご参照ください。
➡「生成AIの活用は違法?著作権問題は?知っておくべき注意点や活用方法も紹介」
AIが生成した内容が虚偽の場合がある
生成AIは入力や指示した内容に対し、学習した内容から最もふさわしいと考えられる回答を探して生成物を作ります。しかし、生成物の内容が正しいことを保証しているわけではありません。学習データに誤りがある場合や学習データが古い場合、正誤で簡単に割り切れない内容など、誤った生成物が作成される可能性もあります。利用者が注意する必要があるポイントとなります。
生成AIに入力した情報が流出する
生成AIは多くがWebサービス(クラウドサービス)として提供されており、入力した情報はサービス提供者側に送信されます。通信上でのデータの傍聴、サービスからのデータの漏洩などのリスクが存在しており、実際にChatGPTでもアカウント情報の悪用により情報の流出が確認されています。
2023年に発生した情報漏洩事例やChatGPTからの情報漏洩事例については、下記の記事をご参照ください。
➡「【2023年|総まとめ】情報漏洩事例と損失規模」
➡「ChatGPTは危ない⁉ChatGPTからの情報漏洩事例を紹介」
まとめ
Webサービスとして提供される生成AIは、簡単に利用でき有用なアウトプットを提供してくれます。業務やプライベートでも、その利便性を活用したいところです。無料で利用できるサービスも多数存在するため、本文内で紹介したサービスなどを利用してみてください。
一方で、生成AIの利用にはリスクがあることも知っておく必要があります。特に機密情報や個人情報を生成AIに入力する場合には、情報漏洩のリスクが存在するため注意が必要です。
情報の漏洩・流出リスクに対する有効な対処の一つが情報漏洩監視ツールの活用です。情報流出をいち早く検知して、被害を最小限に抑えられる点が大きなメリットとなります。SMSデータテックの提供する「ダークウェブアイ」は情報漏洩監視ツールとして、生成AI利用による情報流出のリスク低減に役立ちます。
おすすめイベント・セミナー 一覧へ
2024年11月20日(水)に、「Copilot」についてのセミナーを開催いたします。 今回のセミナーは、皆様から「Copilot」を...
2024年10月23日〜25日に幕張メッセで開催されたJapan DX Week2024秋。春と同じく「生成AI×自動化」をテーマに出...